概要
浮雲(長岡亮介)
概要
長岡亮介(ながおか りょうすけ、1978年10月7日生まれ)は、千葉県千葉市出身の日本の音楽家、ギタリスト、歌手です。ロックバンド東京事変の2代目ギタリストとして「浮雲」名義で活動し、自身がフロントマンを務めるバンド「ペトロールズ」ではリード・ボーカルとギターを担当しています。東京事変ではギターのほか、曲によってリード・ボーカル、コーラス、ラップ、マンドリンなども担当しました。椎名林檎をはじめ、星野源、illion(RADWIMPSの野田洋次郎のソロプロジェクト)、大橋トリオ、Original Love、LOVE PSYCHEDELICOなどのサポートギタリストも務めています。
来歴
生い立ちとデビュー前
千葉県の公団住宅に生まれ、父親が趣味で楽しむブルーグラスやカントリーが日常的に流れる環境で育ちました。9歳からピアノを習い、中学1年生の時にギターを始めます。高校時代から父親のカントリーバンドにも参加し、東海大学在籍中にプロのカントリー歌手のバンドなどでギタリストとして活動を開始。ソニー・ミュージック主催の「NEWDIGSOUL Audition」に参加し、プロへの道を歩み出しました。メジャー進出後も、赤坂のカントリー・ミュージックの店に不定期で出演しています。
2000年代
2000年、椎名純平のバックバンド「The Evil Vibrations」に加入し、これが縁で妹の椎名林檎との交流が始まりました。2002年には椎名兄妹らと「邪」名義でTOTOの「Georgy Porgy」をカバーしネット配信、これが初のボーカル仕事でした。2003年には椎名林檎の3rdアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の制作に参加し、ギターやボイスパーカッションを担当、アナログ盤のボーナス・トラック「映日紅の花」を作・編曲しました。2004年には東京事変の1stアルバム『教育』のためのデモ制作に協力し、「遭難」のイントロのギターリフには彼のデモの案が採用されています。同年、半年ほどロンドンに語学留学しました。
2005年2月にペトロールズを結成。夏には脱退した初代ギタリスト晝海幹音に代わって東京事変に加入し、椎名林檎から「浮雲」というステージネームを与えられました。2007年にはアルバム『平成風俗』に参加し、「花魁」の日本語詞と作曲を担当。7月の東京事変のシングル「OSCA」では同バンドで初めて作詞・作曲を手がけました。2009年には「丸ノ内サディスティック(EXPO Ver.)」の編曲・コーラスを担当し、ともさかりえに「目覚め」を提供しています。
2010年代
2011年12月31日、東京事変として第62回NHK紅白歌合戦に出場する椎名林檎のバックバンドを務めました。2012年2月29日に東京事変が解散。同年10月から12月には大橋トリオのツアー「ohashiTrip」にサポート参加しました。2013年にはillionのサポートでロンドンとハンブルクでライブを経験し、星野源のシングル「ギャグ」のレコーディングに参加、以後星野のライブやレコーディングを支える存在となります。同年には極悪非道…ではなく、アヴちゃん(女王蜂)らによるプロジェクト「極門島一家」にも参加しました。
2014年10月、初のソロ作品「LOUNGE LOVER」(3曲入りCD)を発表。同年は椎名林檎のアリーナツアー「(生)林檎博'14」のバックバンド「The Mighty Galactic Empire」に参加し、12月31日には第65回紅白歌合戦で椎名林檎のバックを務めました。2015年4月に台湾でソロライブを開催。「MANGARAMA」のメンバーとして椎名林檎の台湾公演や「百鬼夜行2015」に参加し、星野源のバンドとして「FUJI ROCK FESTIVAL '15」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」にも出演しました。11月にはLOVE PSYCHEDELICOの香港・台湾ツアーのスペシャルバンドに参加しています。
2016年は星野源の「YELLOW VOYAGE」、大橋トリオのツアー、Original Loveの25周年記念ツアーに参加。9月のリオデジャネイロパラリンピック閉会式「フラッグ・ハンドオーバー・セレモニー」では、本名の長岡亮介名義でピチカート・ファイヴの「東京は夜の七時」の歌唱を担当しました。2017年には星野源のアリーナツアー「Continues」に参加し、10月にはNHKの番組で浮雲、小雨(MIKIKO)、林檎(椎名林檎)の特別ユニット「HUMAN ERROR」としてリメイク曲を披露しました。
2020年代
2020年1月1日に東京事変が再生し、浮雲も復帰。同年にミニアルバム『ニュース』、2021年にフルアルバム『音楽』をリリースしました。2020年12月31日の第71回紅白歌合戦では、紅組・東京事変として出場するとともに、白組・星野源のバックでもギタリストとして参加しました。ペトロールズは2024年時点でアルバム3作とミニアルバム2作を発表しています。2024年11月26日にはドラマーの河村俊秀が自宅で亡くなっているのが発見されました。
主なディスコグラフィ
- 東京事変:『教育』(2004)、『大人』(2006)、『娯楽』(2007)、『SPORTS』(2010)、『大発見』(2011)、『color bars』(2012)、『ニュース』(2020)、『音楽』(2021)
- ペトロールズ:『Renaissance』(2015)、『GGKKNRSSSTW』(2019)ほか
- ソロ・コラボ:「LOUNGE LOVER」(2014)、田島貴男との共演作『Sessions』(2018)
音楽性
最も好むギタリストはカントリーギタリストのピート・アンダーソンで、独創的なフレーズのルーツにはカントリーやブルーグラスがあります。カントリー由来のチキン・ピッキングを得意とし、スライド奏法、フィンガー・ピッキング、ワウペダルなどを楽曲ごとに使い分けます。鍵盤やホーン・セクション、スクラッチのようなギターらしくないフレーズを好んで弾くことも特徴です。亀田誠治は「よほど意図的でない限り、8ビートのまっすぐなリフを刻むのは浮雲くんのカラーではない」と評しています。必要最小限の音数で楽曲を輝かせる機能美あるギターワークで知られます。
人物
椎名林江に依頼されるまで歌は歌っておらず、作詞作曲も彼女の助言を機に本格化しました。ペトロールズ結成後に本格的に曲作りを始め、ロンドン留学の経験も大きな影響を与えました。無類の車好き(シトロエン・アミ、BXを所有)・自転車好きで、ビザール・ギターのコレクターとしても有名で、自宅に50本ほどを所有しています。最も信頼するギターは1969年製のフェンダー・テレキャスターです。