概要
坂本冬美
概要
坂本冬美(さかもと ふゆみ)は、1967年3月30日、和歌山県西牟婁郡上富田町生まれの演歌歌手、女優です。1987年に「あばれ太鼓」でデビューして一躍ブレイクし、「夜桜お七」「また君に恋してる」などのヒット曲で知られています。NHK紅白歌合戦には通算37回出場しています。
来歴
デビュー前
肌が雪のように白かったことから「冬美」と名付けられました。中学時代の作文で将来の夢を演歌歌手と記し、当時は石川さゆりのファンで、サザンオールスターズにも傾倒していました。1985年に和歌山県立熊野高等学校を卒業後、大阪の会社に経理として入社しましたが約4か月で退社。和歌山に戻り梅干し会社に勤めながら、カラオケ教室に通って歌手を目指しました。
デビューと活躍
1986年、NHK『勝ち抜き歌謡天国』で名人となり、「関西演歌大賞カラオケコンクール」でも優勝。出演者だった猪俣公章に勧められて上京し、同年4月から約2年間、内弟子となりました。1987年に「あばれ太鼓」でデビューし、80万枚を超える売上を記録、『第29回日本レコード大賞』など数々の新人賞を獲得しました。
1988年には「祝い酒」のヒットで『第30回日本レコード大賞』金賞を受賞し、『第39回NHK紅白歌合戦』に初出場。1991年に芸術選奨新人賞(大衆芸能舞踊部門)を受賞し、「火の国の女」で『第33回日本レコード大賞』最優秀歌唱賞を獲得しました。同年、細野晴臣、忌野清志郎とともにグループ「HIS」を結成してボーカルを務め、1991年7月19日にアルバム『日本の人』を発表しています。初期は「男の情話」(1989年)や「男惚れ」(1992年)など「男歌」が中心でした。
1993年、師匠の猪俣が55歳で死去。同年末の第44回紅白では、森口博子、西田ひかると共にセーラーマーキュリーに扮して「ムーンライト伝説」を歌いました。1994年には三木たかし提供の「夜桜お七」がロングヒットとなり、同曲で紅白に通算8回出場、1996年の第47回では初の紅組トリを務めました。1995年には阪神・淡路大震災の復興ソング「心の糸」を香西かおり、伍代夏子、長山洋子、藤あや子と歌っています。
休業と復帰
1997年に実父が交通事故で亡くなり、さらに虫垂炎での入院や持病の膵臓炎の悪化もあって体調を崩しました。デビュー15周年の2002年3月に芸能活動を休止し、この年は紅白に出場できませんでした。休養中に二葉百合子の「岸壁の母」を聴いて感銘を受け、二葉に師事。2003年4月1日、『NHK歌謡コンサート』で活動再開を宣言しました。
復帰後
2008年、「和歌山県ふるさと大使」第一号に就任。2009年1月7日発売のダブルA面シングル「アジアの海賊/また君に恋してる」はオリコン週間チャートで初登場13位、最高3位となり、ビリー・バンバンのカバー「また君に恋してる」は翌2010年にさらに売上を伸ばして最大のヒット曲となりました。同曲は2010年3月31日〜4月6日にRIAJデジタルトラックチャートで1位を獲得し、アルバム『Love Songs〜また君に恋してる〜』は2010年7月13日時点で累計20.2万枚に達し、1989年のテレサ・テン以来、女性演歌歌手として初の20万枚突破となりました。2011年5月22日には「第62回全国植樹祭」記念式典で天皇・皇后の前で「君が代」を独唱し、同年9月に故郷・和歌山への思いを歌った「おかえりがおまもり」を発売。2016年には30周年記念の「北の海峡/愛の詩」、「女は抱かれて鮎になる」を発表し、毎日芸術賞特別賞を受賞しました。2020年4月には「俺でいいのか」ギター伴奏バージョンの記念イベントが新型コロナの影響で中止となり、自宅からYouTubeで配信企画を行い、同年11月には桑田佳祐作詞作曲の「ブッダのように私は死んだ」を発売して夢を叶えました。
女優・その他の活動
1992年のTBS『女無法松 小夏の恋』でドラマ初主演。以降、大河ドラマ『炎立つ』(1993年)、『コメディーお江戸でござる』(準レギュラー、1995〜2004年)、『夜桜お七殺人事件』(2006年、主演)、『ひとりぼっち』(2023年)などに出演しました。映画『のど自慢』(1997年)、『竜とそばかすの姫』(2021年、奥本さん役の声)にも出演。2006年には本人をモデルにした漫画『炎歌』が連載されました。
受賞歴
1990年 第32回日本レコード大賞 美空ひばり賞、1991年 上海アジア音楽祭 グランプリ、同年 第33回日本レコード大賞 最優秀歌唱賞、1992年 アルバム賞、1994年 作品賞、1996年 優秀作品賞、2008年 上富田町特別功労賞、2016年 毎日芸術賞特別賞などを受賞しています。
音楽性・人物
演歌・歌謡曲を軸とし、初期の力強い「男歌」から「夜桜お七」のような作品へ幅を広げました。二葉百合子に学んだ浪曲の唱法を取り入れ、HISでのロック的な活動、桑田佳祐など多彩な作家との仕事も特徴です。伍代夏子、藤あや子らとは公私ともに親しく、二葉百合子門下の「二葉組」でも交流しています。紀州南高梅へのこだわりでも知られ、コンサート会場では梅干しを販売しています。